読書

夜明け前に鎮痛剤の効き目が切れ、激痛のせいで否応なく目覚めるというのが続く。さすがに6時から仕事を始める気はしないので、1時間半ほどを読書にあてる日々が続いている。そんなわけで、1月は久しぶりに読めた。

超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)

超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)

☆☆☆★
再読。『超税金対策殺人事件』、『超長編小説殺人事件』の2編が特に毒があって大好き。
名探偵の掟

名探偵の掟

☆☆☆☆
上のを読んだらこちらも読みたくなってやはり再読。新本格の書き手たちをからかう内容なのに、『メフィスト
で連載していたことに驚き。
幻夜 (集英社文庫)

幻夜 (集英社文庫)

☆☆☆☆☆
東野圭吾3連発。愛する女性のために罪を重ねていく男そして真相を執拗に追いかける刑事の姿を世相をからめて描くという、『白夜行』と同じモチーフの作品。違うのは、こちらは女が主体で男は翻弄される立場であること。その分、二人が同じ宿命を背負っていた『白夜行』の方が小説としてのランクは上であるけれど、面白さでいえばこちらの方が、というよりも東野作品の中で一番楽しく読めた。
Q&A (幻冬舎文庫)

Q&A (幻冬舎文庫)

☆☆☆
大型商業施設で死者69名負傷者116名という重大事故が発生。ところが犠牲者の死因のほとんどがパニックとなった店内の混乱の中での圧死であり、その引金となったものも特定できない。生存者たちへの質問と答えだけで物語が展開するという趣向で書かれた作品。
高校生の頃にプロットを思いついたのだが結局1行も書くことなく棄ててしまった、自分の幻の処女作品を思わせるところがずいぶんあって驚く。削った方がよかったのではないかと思われる章が2つほど。
町長選挙

町長選挙

☆☆☆
んー、『最悪』が大好きな自分としてはこのシリーズはとっとと終ってもらって、早くまた犯罪小説に戻ってきてもらいたいところ。実在の人物をモデルにするのはいいのだけれど、あまりにもそのものであっては小説としてどうでしょうか。変態医師伊良部の性格も、なんか癒し系に変わってきちゃったみたいだし。色っぽい看護婦マユミが、ようやくキャラとして立ってきたのが救い。マユミを主人公として一編書かれそうだ。
影踏み (祥伝社文庫)

影踏み (祥伝社文庫)

☆☆☆☆★
全くはずれがない横山秀夫。でもタイトルがそっけないせいで、既に読んでるものを手にとってしまうことがしばしば。これも単行本と文庫本の2冊とも買ってしまった。しかも同じ日に。
これまでの作品と趣を異にするのは、主人公が「ノビ師」という犯罪者であることと、実の母親の手で焼き殺された双子の弟の思念が主人公の頭に残っていて彼と会話をしながら真相を解き明かしていくという設定にある。元々硬質な文体の人であったが、この作品集はまさにハードボイルド。二枚目で頭が良くて喧嘩も強いと、主人公がカッコ良すぎるのが唯一の難点。

コミックではこれらを既刊分まとめ読み。

おおきく振りかぶって(9) (アフタヌーンKC)

おおきく振りかぶって(9) (アフタヌーンKC)

へうげもの(5) (モーニング KC)

へうげもの(5) (モーニング KC)

シュガー 7 (アッパーズKC)

シュガー 7 (アッパーズKC)

画のタッチから敬遠していた『おおきく振りかぶって』だが、作者が野球をよく知っていることに驚くとともに、とても楽しく読めた。